消費生活と環境
循環型社会を目指して
(1)循環型社会と3つのR
日本の社会は大量に生産し
消費することによって発展してきた
それと同時に廃棄物は増え続け、
大きな社会問題となっている
食品廃棄物とは、食品を製造・加工する過程で
捨てられるゴミ、売れ残って捨てられたゴミ、
食べ残し、廃棄された食用油などをいう
日本の場合、毎年国内で捨てられている
食品廃棄物の約半分を家庭からのゴミが占めている
企業では食品ゴミを堆肥や飼料として再利用する、
飲食店チェーンでは缶や発泡スチロールの容器を
使わないなどの努力をしている
生ゴミの場合、大量に土に戻すと、
急速に分解が進んで二酸化炭素が発生して
土の中の微生物に悪影響を与えるおそれがある
これを防ぐためには循環型社会を目指して
家庭でもゴミを減らす意識を高めていくことが必要
3つのRは、限りある資源を上手に使いまわし、
環境に与える負担を小さくする
循環型社会の実現のための具体的な取り組みである
①Reduce(リデュース)=発生抑制
廃棄物の発生抑制、つまりゴミを減らすこと
部品を交換すれば長期間使用できる製品をつくる
など商品の寿命を延ばすこともリデュースである
②Reuse(リユース)=再使用
使用済み製品を原型のまま繰り返し使用すること
何度でも洗って使えるリターナブルびんなどが
その代表例である
③Recycle(リサイクル)=再資源化、再生利用
リデュースやリユースをしても出てしまう
廃棄物は資源として再生利用する
例えば、ペットボトルは細かく砕かれ
繊維製品などの原材料として利用されている
(2)容器包装リサイクル法
正式名称は『容器包装に係る分別収集及び
再商品化の促進等に関する法律』といい、
『容リ法』とも略される
家庭から出されるゴミのうち、容量で約60%、
重量で約20%を占める容器包装廃棄物の
リサイクルシステムの構築を目的として制定された
①容リ法の対象物
容リ法では容器または包装のうち、
中身の商品を消費したり分離したりした際に、
不要となるものを容器包装と定義している
【容リ法の対象外となるもの】
中身が『商品』でないもの
- 手紙やダイレクトメールを入れた封筒
- 景品を入れた箱や紙袋
『商品』でなくサービスの提供に使うもの
- レンタルビデオ店の貸出用袋
- クリーニングの袋
- 宅急便の袋や箱
分離しても不要にならないもの
- 音楽用CD等のプラスチックケース
- 楽器やカメラの専用ケース
- 日本人形を飾るガラスケース
【容器包装の対象となるもの】

②消費者・市町村・事業者の役割分担
容器包装廃棄物の処理について、
従来は市町村だけが全面的に責任を担ってきたが、
容リ法においては消費者が分別して排出し、
市町村が分別収集し、事業者(特定事業者)が
再商品化(リサイクル)するという、
3者による役割分担が義務付けられた
この事業者には容器の製造業者だけでなく、
容器包装を用いて中身の商品を
販売する事業者も含まれている

(3)食品リサイクル法
食品リサイクル法は食品関連事業者を対象として
食品の売れ残りや食品の製造工程から発生する
食品廃棄物について定めた法律である
まずその発生抑制に取り組み、
次いで飼料や肥料等の原材料として再生利用
することなどを促進する
【食品関連事業者による発生抑制の取り組み】
食品製造業者
- 不良品の発生率の低下、
- 未使用原材料の有効活用など
卸売・小売業者
- 過剰な仕入れの抑制、
- 消費期限が近づいている商品の値引きなど
外食産業
- メニューや盛り付けを工夫
- 食べ残しを削減するなど
『食品リサイクル法』に規定されている
食品関連事業者の責務として、
次の3項目が挙げられている
【食品関連事業者の責務】
発生抑制
(例)食品廃棄物などの発生を未然に抑制する
再生利用
(例)食品循環資源を肥料、飼料、油脂、油脂製品、
メタンの原材料として利用する
減量
(例)生ゴミ処理機を使用して、食品廃棄物を脱水、
乾燥、発酵、炭化する
(4)家電リサイクル法
消費者は買い替え等で廃棄する際に
販売店にリサイクル料を支払って引き取ってもらう
引き取った販売店はメーカーが指定した
引き取り場所に引き渡し、リサイクル施設で
再商品化することが義務付けられている
また2013年からは『使用済小型家電機器等の
再資源化の促進に関する法律』に基づいて、
携帯電話、デジタルカメラなどの使用済みの
小型家電もリサイクルの対象とされている
(5)PCリサイクル法
正式には『資源の有効な利用の促進に関する法律
(資源有効利用促進法)』という
家電製品とは別にパソコンはメーカーによる
回収・リサイクルが義務付けられている
使用済みのパソコンは、
企業などで使用された事業系パソコン、
家庭などで使用されていた家庭系パソコン
に分類される
対象となるのは、デスクトップパソコン本体と
ディスプレイ、ノート型パソコンである
事業系パソコン、家庭系パソコンともに、
法律に基づいて回収が行われ、
メーカーが新たな資源として活用する
リデュースは発生抑制、リユースは再使用、
リサイクルは再資源化を意味する
ゼロエミッションとは
一般には、工場から出される廃棄物や排ガスなどを
なくそうとする試みをゼロエミッションという
これによって、国際標準化機構(ISO)の認証が
取得できれば環境に配慮した企業として
社会的な評価を得ることができる
しかし、もともとゼロエミッションとは、
単にひとつの工場から出される廃棄物を
ゼロにするということではなく、
あらゆる産業から排出される廃棄物を
ほかの産業の原材料などとして活用すること
などによって廃棄物をなくし、
これによって循環型社会の実現を目指そうとする
考え方をいう
一般には、工場から排出される廃棄物を
ゼロにする取り組みをゼロエミッションという

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