日本料理と世界の料理
日本料理の基本
四季折々の豊かな食材に恵まれた日本の料理は
素材そのものの風味を引き出す味付けと、
季節感を大切にした見た目の美しい盛り付けを
特徴とする
(1)日本料理の種類
本膳料理
日本料理の正式な膳立て
室町時代の武家社会で確立し、
江戸時代に発展した
配膳に厳格な作法がある
略式の本膳料理を袱紗料理という
会席料理
江戸時代お酒を楽しむ
宴会向けの料理として普及した
現代でも会合や接待で出される
宴席料理を指す
懐石料理
茶の湯の席でお茶を飲む前に
出される簡素な食事のこと
会席と区別して茶懐石とも呼ぶ
精進料理
殺生を禁じる仏教の教えに基づき、
肉、魚を使わず野菜や豆類などを
中心としてつくられる料理
現在も仏事の席で出されることが多い
卓袱料理
中国の影響を受けた長崎の郷土料理
大皿に盛りつけた料理を取り分けて食べる
(2)日本料理の献立の基本
ご飯と汁物のほかに、
3種類のおかずを組み合わせた
一汁三菜が献立の基本とされる
三菜は、焼き物、椀盛り(煮物)、向付
の3つが一般的

(3)日本料理の盛りつけの基本
平たい皿に盛りつけるときは、
山と谷をつくって立体感を出す
奥ほど高く、手前を低くする盛り方を
山水盛り(山水の法則)という
また深めの鉢などの場合は
こんもりと中高に盛るのが基本
焼き物
切り身の場合は皮を向こう側にして
中央に盛りつける
尾頭付きの場合は腹を手前にして
頭が左側になるように盛りつける
あしらいは魚の手前に添える
椀盛り
煮物が椀の内側面につかないように
余裕をみて中央にこんもりと盛る
汁を少なめにはり天盛りを添えて
見た目を引き立たせる
ご飯
器の大きさに対して多すぎず少なすぎず
ご飯粒が立つようにこんもりと盛る
会席料理は宴会でお酒を楽しむ席の料理
懐石料理は茶の湯の席で出される料理
世界の料理
(1)中国料理
中国は国土が広いため、
地域によって多種多様な食材があり、
料理もさまざまなものがある
また薬食同源という考え方があり、
食物は薬と同じように生命を養い、
健康を保つ源であるとされている
皮や骨など捨てられることが多い部位も
無駄なく使うこと、炒めたり、揚げたりする
料理が多いことが特徴
また大皿に盛った料理を取り分けて
食べることが一般的である
北方系(北京料理)
豚、鴨、鯉などの全形料理(姿のまま調理)
濃いめの味付け
小麦粉などを用いた麺、饅頭、包子、
北京ダック、羊肉のしゃぶしゃぶなどが有名
東方系(上海料理)
魚米之郷とよばれ、
豊富な魚介類や米を用いた料理が多い
上海ガニの蒸し物、豚ばら肉の角煮などが有名
西方系(四川料理)
唐辛子やにんにくを使った
スパイシーな味付けが特徴
肉、川魚、野菜の料理が多い
麻婆豆腐、回鍋肉、担々麺、棒々鶏などが有名
南方系(広東料理)
食在広洲とよばれるほど
山海の食材に恵まれている
飲茶、酢豚、焼き豚などが有名
(2)西洋料理
代表的な料理はフランス料理
宮廷料理として発達したが、
家庭料理にも影響を与え、
地域ごとの料理が発展した
香辛料やわいんなどが多く用いられ、
ソースの種類が豊富
プロバンス地方
地中海に面した地域で
魚介類を使った料理が多い
イタリアの影響を受けて
にんにくやオリーブオイルを多用
ブイヤベースが有名
ブロゴーニュ地方
フランスの中央部に近くブドウの産地
ワインを活かした調理法が特徴
肉料理を中心に発達
ビーフシチューがが有名
イル・ド・フランス地方
パリ周辺の地域
鹿、きじ、うさぎなどのジビエ料理が有名
ノルマンディー地方
英仏海峡に面した地域
羊肉を使った料理が有名
カマンベールチーズやカルバドスが特産品
ブルターニュ地方
北西部の海岸地域で、
魚介類を使った料理が多い
牡蠣料理、クレープも有名
アルザス地方
ドイツに隣接した山岳地域
ドイツの領土になった時期もあり、
ドイツ料理に似た料理がある
ドイツと同じザワークラウトと同じ
キャベツの酢漬けやそれを使った
シュークルート・ガルニ、
塩漬け豚肉なども有名
ボルドー地方
ブルゴーニュ地方に並ぶワインの産地
赤ワインを使った煮込み料理が有名
(3)エスニック料理
タイやインドネシアなどの東南アジア、
メキシコなど中南米、
トルコなどの中東の料理をいう
トルコ
ケバブ(羊や鶏の焼き肉)、
ムサッカ(ひき肉料理)
ドンドゥルマ(アイスクリーム)など
タイ
パクチーなどの香味野菜や香辛料を多用
トムヤムクンが有名
(4)各国の代表的な料理
イタリア
パスタ料理、ピザ、リゾット
スペイン
パエリア、ガスパッチョ
ドイツ
ソーセージ、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)
イギリス
フィッシュアンドチップス、
ローストビーフ、サンドイッチ
ロシア
ボルシチ、ビーフストロガノフ、ピロシキ
アメリカ
ハンバーガー、ホットドッグ、クラムチャウダー
インド
タンドリーチキン、ナン、チャパティー、
マサラティー、ラッシー
韓国
ビビンバ、サムゲタン、キムチ、プルコギ
素材の味を活かした日本料理とは異なり、
調理によって濃厚な味付けをするものが多い
気になるワード
「割」は包丁で材料を切ること
「烹」は火で煮ること
日本料理そのものを表す言葉
手前のご飯や汁物に対して
向こう側に置かれる器のこと
酢の物やなます、刺身など
器に盛った料理を引き立てるため、
手前に添えるもの
煮物や酢の物の盛りつけた上にのせて
香りや彩りを添えたり味を引き立てるもの
刺身に香りや彩りを添える野菜や海藻のこと
点心(軽食、菓子類)を食べながら
お茶を飲む簡単な食事のこと

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